その眼差しの彼方まで

アイドルと音楽と日記

240805:チラシの裏

前提1:わたしたちは、みな、人権を有している。

前提2:アイドルも、ファンも、その人権を侵害されることがあってはならない。

前提3:アイドルは、職業である。

 

5年以上前、この事務所のタレントに改めて興味を持ち始めた(詳しい経緯については割愛する)とき、今の私の倫理基準では考えられないツイートをしたことがある。公開アカウントでやったかどうかは覚えていないし、どちらにしろ特定個人の名前を出してツイートしたことはないはずなのだけれど、中学生のころからずっと使っている鍵アカウントには確かにその痕跡が残っている。その跡をみると、アイドルには恋愛を隠してほしい、ということ書いていた。高校1年生のときの鍵ツイートだ。

 

これは私にとって恥ずべき過去であると同時に、忘れてはいけない事実だ。いま分かり合えないと思っているアカウントを使っている誰かのことを、決して他人事だとは思えない理由であり、(あまりにもムカついたときにはやってしまうこともあるが)少なくとも公開インターネットで文字に残る発言をする以上は、切り離してはいけないと思い続けている理由でもある。

このツイートは、私も死後は地獄に落ちるし、むしろ行きたいと思っていることを前提にした発言だが、これを見て私をブロックした人も、フォローした人も、いいねした人も、誰もそんなことは知らないだろう。私は地獄に行って、私の人権を傷付けたすべての人々に唾の一つでも吐かないと気が済まないから、既にブッキング済みである。地獄に落ちるように祈るのはついでだし、ついでであってもそう祈った時点で、自分が地獄に行かないとは毛の先ほども思っていない。死んだらスキップしながら地獄に行ってやる。

 

人は変わる。変わっていく。変わろうとしなくても、変わっていく。生きている限り、変わらないことはない。

過去にやってはいけないことをやったとして、それを許されるかどうかは侵された当人が決めることだ。そして許されたとて、その罪が消えることはないと私は思っている。その一方で、消えない罪を抱えたうえで、やりなおすこともまた人が持つ権利だ。

 

私は他人として、私の愛する誰かを傷付けたあなたを許すことができない。それでも私は他人だから、本人がもし許すと言ったら何も言うことはできない。正直言って、私はアイドルという仕事を愛し信じているとはいえ、自分が興味を持っているタレント以外についても、その人権を侵害されたときに等しく怒れるかというとそんなことはない。その余裕は今の私にはないし、余裕があったとしても、その性格ゆえに怒ることは難しいだろう。それでも、アイドルとアイドルの仕事を愛する人間として、この世界を少しでもましにしていきたいという思いに逆行するような事件があったら悲しい。そしてこれからの私自身もまた、その逆行に加担する可能性はいくらでもある。このインターネットに、チラシの裏は存在しない。

 

夢見がちな私は、私の好きなアイドルとは、恋愛至上主義異性愛規範と全く関係ないところで、アイドルとファンとして最高の関係になれると心から思っている。そう信じているから、その未来を傷付けるような発言をする人が許せないという部分もある。

一方で、私にはアイドルに対する恋愛感情やそれに準じるような感情はないからこういうことが言えるのかもしれないし、そう思っていても私のアイドルに対する感情の中に狭義の恋愛感情が存在しないと断定することは私自身にもできない。

アイドルに恋愛感情を持つあなたにはその感情を大切にしてほしいと、これも心から思っている。

アイドルの人権と、オタクの感情双方を尊重することは両立する。

私は、アイドルの本質と人権が相反し両立しないものであるとは決して思えない。


この世界には、善くする余地が山ほどある。そのためにできることはいくらでもある。

私が、私たちが憎むべきはアイドルのプライベートを侵害するメディアや悪質なSNSアカウントのその行為である。私は好きなアイドルに対して誹謗中傷をおこなったあなたのことを許すことはできない。それでも、あなたと二度と目が合わないとは思っていない。

 

私は倫理を保とうとしている。せめて誰かの前だけでは。あなたといつか目が合う日まで、私はできる限り知識を深め、あなたが振り向くのを待っている。あなたといつか目が合って話ができることを願っている。私はまだ諦めていない。これが私の悪いところであり、良いところでもある。

 

 

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