その眼差しの彼方まで

アイドルと日記

夏のはじめ

数字があるとほっとする。

ジャニーズたるもの1位でなければ、というおじいちゃんの言葉の伝聞のせいかもしれない。同時デビューの後遺症か、Billboardの週間1位を確認して胸をなでおろす。CDを買って取り込んだあと、私の好きな音楽を聴いた回数なんて一切反映されないチャートに対して、未だに距離を測りかねている。私と私の好きな音楽の接触は、外からは見えない。

 

 
 
 
 
 
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ジャニーさんに楽屋に呼ばれて
「Youはソロが良いんじゃない?」
と言われましたが、
廉、海人、岸くん、ジン、玄樹で
やっていくことしか想像できなかったので、
そのことを伝えました。
「ずっと数字に追われる人生になるよ、それでもいいの?」

同じくソロではなくグループとしてアイドルをやっていくことを選び、赤色を背負った96年度生まれのセンターのことを考える。あのおじいさんにとって、アイドルがソロでやっていくことは数字に追われなくて済むということなのか。ひとりなら数字が取れなくても仕方ない、ということなのか。

こんなの早くやめにしたいね、どこへともなく呟いてみる。

 

非ジャニーズの男性アイドルが好きな友達と、数字の話になった。

ジャニーズのような旧来のメディアに対する強い地盤がなく、淘汰のスピードが早いK-POPの世界で活動する彼らとファンにとって、数字というのは死活問題らしい。ジャニーズにとっても数字は重要だが、デビューさえしてしまえばある程度の安定が得られるのは確かだろう。デビュー週に書いたエントリを思い出した。デビュー以降、私はわりと数字と距離を置いている。それでも売上枚数がちょっと気になるし、リリース週には公式ツイートをRTしまくったりもしている。枚数だけを見れば売れていると判断される位置にあるのかもしれないがよく分からない。“売れる”というのはそんなに単純な話ではない。

 

今年の6月は、世代を共にする3グループのリリースがあった。

月初からSexy ZoneのAL「ザ・ハイライト」にSixTONESのSG「わたし」、King & PrinceのAL「Made in」。

それぞれが歩いてきた道への自負と品格に満ち溢れたパフォーマンスが3グループぶんもみれて、心から幸せな1ヶ月だった。YouTubeで、HiHi Jetsの「JET」を先頭に、ichiban→THE FINEST→わたしをずっとリピートしていた。SixTONESとKing & Princeの共演が続き、ストプリというちょっと使いづらい略称も生まれた。

年始のTravis Japanのインスタライブに髙橋海人さんがゲスト出演した際、「俺らの世代がジャニーズのパフォーマンスを引っ張って行けるようになれたら」というようなことを話していた。そうこうしているうちにTravis Japanは渡米して、先日はAGTに出演し確かな爪痕を残した。

 

彼らがジャニーズとして少年隊以来38年ぶりのAGT出演を果たすより少し前、はじめてSexy Zoneのコンサートに行った。

新潟に行った夜、ホテルの部屋でKinKi Kidsが出演した金スマを観た。小さい頃からJフレをぼんやり眺めてきて、今年結成7周年とデビュー2周年を迎えたSixTONESにとって、25年の節目はどこにあるんだろうとぼんやり考えていた。最近のインタビューでは歳をとってからの話をすることが増えた。デビュー3年目にする話じゃないだろとツッコミを入れながら読んでいる。未来を描けるほど今がクリアなのは喜ばしいことだ。6月の3組を、どこかでJフレに重ねていた。

 

私が初めてSexy Zoneに会った2週間後、男闘呼組が30年振りに再結成した。とてもカッコよくて、ほんの少しだけ脳裏を過ぎる景色があった。生きてさえいれば、いつかこんなこともあるかもしれない。

30年という年月は、私の人生はもちろん、ジャニーズオタクとしても考えたことのない長さだ。まだ20年も生きていないし、私のジャニオタものさしはせいぜい26年くらいまでしか目盛りがない。しかもその目盛りは、誰かが語ってきたものをなんとなく自分の中で構成し直しただけのぼやけた線だ。少年隊だって35年を越していたし、長野くんの芸歴の長さも知っていたのに。長い空白としての30年も、30年前のことも、数値としては認識できても理解は及ばない。

Sexy Zoneがデビュー30周年を迎えても、今の男闘呼組よりも、V6解散時の坂本くんよりも中島健人は若い。30年は途方もなくて、急に解像度が低くなる。ほど近いところにあるはずのSixTONESの20年後も急にぼやけてしまった。20年後の私と自担は、どこにいるんだろう。

 

カウコンなどで何度もカバーを聴いたことがあるふたつの名曲と、このときのためにあったように聴こえてしまう曲を聴いて、岡本パパと長瀬がギターをかき鳴らしていたカウコンを思い出した。

未だに観れていない俺の家の話と、長瀬が最後に出演したTOKIOのレギュラー番組の録画のことを思い出した。

2021年11月1日に更新された(^^)にこにこ健゜(^^)を思い出した。

 

 

挨拶で、風磨が売れたいと口にした。

もっとみんなの前に姿を見せられるように。僕たちを特別な5人組にしてくれて、スターにしてくれてありがとうございます。普通の日があるからこそ、こういう時間がより特別になるんだと思うんです。明日から戻る普通の日に寄り添えるように。

会場を出ると、川面に夕陽が煌めいていた。“アイドル”という現象について、中居くんが話していた言葉を思い出す。アイドルとファンそれぞれのキラキラがぶつかって生まれる明かり。帰ってから、買ってそのままにちゃんと観ていなかった風 are you?を観た。

 

 

この夏のはじめ、高校時代の友達がSixTONESを好きになってくれた。高校に入っても、絶対に趣味を明かさずに生きていくと心に誓っていた中学時代を思い出した。現実のコミュニティのことを全く信用していなくて、信頼できる人間関係なんて一生縁がないと思い込んでいた。とにかく大学受験までは乗り切って、大学を出たら死ぬしかないと割と真剣に考えていた。

今も変わらず明日に描けるものは無いけれど、少なくとも2年後に全てを終わらせるイメージはなくなった。20年後もまだ私の人生は続いている気がする。少しずつ視野を広げられるようになった。誰かに何かが届けばいいと思いながら文章を書くようになった。明るい未来の話をするようになった。

今でも、ずっと大好きでずっと追うとは言えないけど、殊更それを強調しなくてもいいかなと思うようになった。今私が考える未来は存在しないかもしれない。永遠は最初から私たちの手にはない。何があるか分からないのはお互い様だ。

 

 

たったひとつ、私とあなたが向き合ったときにだけ見えるあの煌めきを、今この刹那に互いに信じられているのなら、それ以上は要らない。私が泡沫であったとしても、私はあなたの記憶を魂にでもしてやろう。

あなたが望むなら、あなたの音楽を聴きながら、私にできうる範囲であなたの幸せを願う。誰にも見えなくても、いつかどこかにいるあなたのことを、今ここにいる私が祈っている。

 

どうしようもない世界の中でも、まだ何も捨てたくない。絶望が押し寄せ続けても、信じられるあなたがいるならば、綺麗事を抱きしめていたい。

あなたが信じ続ける愛と、暮らしの肯定を魂にして、この世界の希望を絶やさぬように。

 

おやすみ、明日もポップなあなたに会えますように。

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